| エジプトの蛇と女神 |

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コブラ cobra
コブラ科コブラ亜科の毒ヘビのうち,興奮すると頸部を広げて立ち上がる特有の威嚇姿勢で知られる仲間の総称。アジア,アフリカ,オーストラリアの熱帯,亜熱帯に広く分布する。 インドコブラNaja naja(英名Indian cobra) は全長 1.2 〜 2.2m。しばしばコプラと呼ばれたりするが,これは誤り。中央アジア,インド,熱帯アジア,中国南部,台湾に分布し,生息地により体色,斑紋などに変異がある。他のコブラ類同様,外形はナミヘビ科の無毒ヘビに類似し,頭部も胴もむしろ細長い。しかし身辺の異変を察知するとすぐに頸部を広げ,興奮が高まるにつれて体の前半部を立ち上がらせて,シューッという音 (噴気音) とともにとびかかるしぐさを繰り返す。ただこの段階では,口を閉じたままの威嚇行動にすぎないが,身の危険を感ずると口を開いてとびかかる。このようなコブラ類特有の威嚇行動は,無益な戦いを未然に防止する目的の警告信号であり,天敵への脅しでもある。インドコブラ類にはさらに脅しの効果を高めるため,広がった頸部の背面に円形の目玉模様があり,おそらく背後に回る敵をたじろがせる効果があるのだろう。インド産のものでは 2 個の目玉模様が横に並び,そのためメガネヘビの異名がある。
フード (ずきん) と呼ばれるコブラ類の頸部は,長く発達した肋骨によって広げられ,インドコブラではもっとも著しい。写真や映像で見るコブラはほとんどが威嚇姿勢であるため,一般にこれが通常の形態だと思われがちであるが,ふつうの形態は無毒ヘビと大差ない。不意を打たれたコブラは無警告でかみつくため,現地では夜間に踏みつけて被害を受けることがある 有名なインドコブラの“コブラ踊”は,コブラが笛の音につれて“踊る”ものでなく (ヘビは音がほとんど聞こえない),彼らの威嚇行動をうまく利用したショーである。物語に登場するコブラでは,エジプトの女王クレオパトラの死にまつわるアスプaspが有名で,女王は毒蛇アスプにみずからの豊かな胸をかませて命を断ったともいわれている。現在ではアスプと呼ばれるのはクサリヘビ属のアスプクサリヘビVipera aspisであり,クレオパトラが用いたとされるエジプトコブラではない。しかし古代エジプトではヘビそのものをアスプと呼び,クレオパトラを画題とした歴史画でも, G.フェラリらはコブラを,G.レーニらはクサリヘビをかいている。エジプトには致命率の高い小型のトゲクサリヘビEchis carinatusも分布するので, asp はあるいは本種なのかもしれない。
松井 孝爾
(平凡社世界大百科事典)
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「ウラエウスは、特徴ある横に広がった頭を持ち、 鎌首を持ち上げるコブラ(ナジャ・バジェ)を描いたもの」であるという解説で、 コブラについては上の説明でわかりましたが、 Uraeus(ウラエウス), UadjetとWadjet(ウアジェト)と ブトー(Buto) その違いはどういうものだろうか。
⇒この言い方ではなお疑問残るのですが 百科事典には、以下のように ウアジェトはオシリスと結びつくことにより, 北エジプトの王室神として聖蛇ウラエウス Uraeus となったと 説明されています。 「オシルスシと結びつく」とは、また、どういうことなのか、 またまただ疑問が残りますが…(*続く…) |
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中山 伸一(平凡社世界大百科事典)
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Uadjet古代エジプトの蛇の女神でギリシア人はウトUtoと呼んだ。その信仰の拠点ブトButoは〈ウアジェトの館〉の意。ブトは二つあり,一つはウアジェト神殿のあった聖なる町,他はホルスの王都で,イシスがホルスを清めオシリスの後継者としてセトとの戦いに身支度をさせた所。 ウアジェトはオシリスと結びつくことにより,北エジプトの王室神として聖蛇ウラエウス Uraeus となり,王冠上に輝きファラオの不滅の守護神となった。またネイトよりひきついだ赤王冠は下エジプト・デルタ地帯の王権の永遠の象徴となった。 ヒエログリフでファラオはバスケットに乗ったハゲタカ (ネクベト) とコブラ (ウアジェト) で表された。 |
Uraeus |
Uadjet/ Wadjet |
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聖蛇ウラエウス Uraeusは王冠上にある ファラオの不滅の守護神 |
ウアジェトは コブラ (ウアジェトWadjet) |
ファラオ Pharaoh 古代エジプトの国王の呼称。 旧約聖書ではパロpar ‘ヾh。語源は古代エジプト語ペル・アア per‐aa (大いなる家=王宮)。 第 18 王朝 (前 1552‐前 1306) 以降,建物だけでなく王個人をも指すようになり, これがヘブライ語,ギリシア語 pharaヾを経てヨーロッパ諸語に伝わり, 現在では古王国・中王国時代の国王に対しても用いられる。 〈神なる王 (神王) 〉として天の神ホルスの化身,太陽神ラーの子とされ, この神性をよりどころに,神々と人間社会とを結ぶ存在として人間社会を含む 全宇宙の調和ある統合 (秩序) を保持する任務を課せられ, 政治,経済,社会,文化,宗教のすべてを自らの手で動かすことをたてまえとする, 高度に組織化された中央集権国家に君臨した。 しかしファラオは〈専制君主〉でも〈神そのもの〉でもない。 図像では,場合に応じて上エジプト王の〈白冠〉,下エジプト王の〈赤冠〉, 両者を合わせた〈複合 (二重) 冠〉,兜状の〈青冠〉,頭布ネメスなどをかぶり, 額には上エジプトの守護女神ネクベトを表すハゲワシと 下エジプトの守護女神ウアジェトを表す聖蛇コブラ, あごには付鬚 (つけひげ) をつけ,上半身はしばしば幅広の襟飾を除けば裸, 腰衣シェンジェトをまとって獣尾を垂らす。両手に鉤杖と鞭状の笏を持つか, 片手に支配権を表すウアス杖を持つかしていることが多い。
屋形 禎亮(平凡社世界大百科事典)
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ファラオを〈神聖王権〉の典型とみる見解は,
民族学者 J.G.フレーザーの提唱以来支持者も多いが,近年では反論も活発である。 例えばエジプト学者ホルヌングE.Hornungは, ファラオは歴史の舞台において主役である創造神 (太陽神) を〈演じる〉ことにより, 天地創造時に創造神が定めた秩序 (マアト) を維持するがゆえに〈神とみなされる〉にすぎないとみる。 ファラオ個人の人格よりもその果たす役割が重視されたのである。 この役割を演じるため,創造神のもつ三つの能力――口にした言葉を現実化する 〈権威ある発言 (フウ) 〉, 〈正しい認識 (シア) 〉,〈呪力 (ヘカ) 〉――をもつとされた。 王の理念と役割は〈ホルス名〉〈二女神名〉〈黄金のホルス名〉〈上下エジプト王名〉〈ラーの子名〉の 五つからなる公式名に表現され,最後の二つは長楕円形のカルトゥーシュ (王名枠) で囲まれた。 このような王権観は古王国時代に完成し,以後古代エジプト文明を通じて基本的に保持された。
屋形 禎亮(平凡社世界大百科事典) (C)日立システムアンドサービス |
http://www.crystalinks.com/
wadjetとuraeusの次のページあり。
http://www.thekeep.org/~kunoichi/kunoichi/themestream/wadjet.html
いろいろ小図像あり エジプト女神の頭飾りHeadgear ⇒「頭=本質」 (※Regalia笏⇒別項目参照プタハ神の笏へ) http://www.touregypt.net/Tour Egypt
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http://members.aol.com/egyptart/symlst.html |
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⇒UdjatとUraeusの図像の違いはわかりました。 もうひとつの疑問点:ウジャトはウアジェットと完全に別物か? なおも混乱しています(^_^;; ![]() 王冠をかぶったハゲワシと王冠をかぶったコブラと目の図です。 目の下にハゲワシのドクトクの模様があり、 涙のような螺旋が蛇という。 ⇒??ホルスの目になったいきさつ? |
⇒エジプトの蛇図像
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